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カナダ・アメリカの生活、ランニング、映画、SF、政治、オタク度何でもあり。続けられたらよし。
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昨日の夜、たまたまテレビを付けていたら、PBS(Public Broadcasting Service)で"Marathon Challenge"というドキュメンタリをしていた。あんまり最初は注意を払っていなかったのだが、アスリートでない普通の人たちがボストン・マラソンを完走するまでの9ヶ月を描いている。Novaというチームの中には、いろんな人がいる。「肥満」と診断された人、HIV+の人、乳癌のサバイバー、心臓マヒから回復した人、シングル・マザー、暴行の被害者、離婚を協定をしている人、母親を亡くした人などなど、人それぞれ様々な人生があり、その人生の一つとして、マラソンに挑戦をする。走り馴れてなくて、怪我をしてしまう人も続出。だが、二人のコーチは辛抱強く、応援し、激励する。水泳コーチだったドンは、9週間も現れない、ジョナサンに何度も連絡をする。で、ようやく彼が現れる。これで、みんな揃う。ボストンマラソンの過去チャンピオンのユタは、それぞれのランナーたちに走りながら激励する。

しかし、Shin Splint(脛を故障)になり、両足ともStress Fracuture(疲労骨折)になってしまったメリッサはトレーニングから外されてしまった。悔しいだろうが、仕方がない。体は一番。母親を交通事故で亡くしたサマは、膝を故障した。だが、休養を取りながらも、練習を続ける。

いよいよボストン・マラソンの日。最悪の天気。だが、天気がよくなってきた。そして、元気にNovaのメンバーは飛び出して行く。最初は長い下り坂。ここで、スピードを出し過ぎて、後で崩れる人も多いとか・・・そして、これが噂の上り坂か。本当に急だ。(駅伝のHaney to Harrisonの坂とはいい勝負なのかもしれない・・・) やはりこの坂はきつく、歩き始めるランナーも多々。途中足が痛くなるランナーも。だが、最後の登り坂を終え、あとは、下り坂。

人それぞれのドラマがあり、メンバーの皆が完走。特にサマは、あの故障した膝が痛んでいたようだ。病気を乗り越えた人も走れる。HIV+を持っている人でも元気に走れるのだ。肥満と診断されたベッツィーは45パウンドも練習中に落とした。いやあ、やっぱり見ていて、マラソンを走ることはこの人たちの様々な糧となり、転機となり、自信にもつながりと、マラソン自体が人生の一部となった。あまり本気で見てなかったけど、最後には涙がウルウルするくらいだった。やっぱりランナーとしても、それ人それぞれ人生で背負っているものは違うけど、ランナーの気持ちは分かる。

ビデオクリップもあるので、ぜひチャンスがあったら見てみて下さい。
http://www.pbs.org/wgbh/nova/marathon/
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『Why Democracy?』っていうドキュメンタリーシリーズの話していたの、覚えているかな?そうこのシリーズで、中国の小学校3年生のことをしていたんだけど、おとといまた別のチャンネルでしていた。前はちょっと見たけど、始めから見てなかったので、ちょうどよかった。多分始まったばっかりだった。

武漢市という湖北省にある730万人という大都市にある、Evergreen 小学校の3年生がクラスモニター(日本でいうと、学級委員かな?)を選ぶ選挙活動、討論等をしている様子をドキュメンタリとして撮影していた。8歳といえば、まだまだ無邪気な年でもあるが、学校にも慣れて来て、大人への入り口を多少覗き始める年齢でもあるのでは。3人の生徒がこの学級委員になるために、立候補している。ちょっとチャビーなチェンチェンという男の子、いたずら好きな男の子、そして、一見おとなしげに見えるが、元気な女の子だ。キャンペーンが進んでいる間、その子たちの学校での生活と家庭での生活を主に取り上げている。

始めに見かけた時は、この小さな子供、いや小さな政治家たちの雄弁さに圧倒された。8歳とはいえども、理論的な喋り口調、相手と討論するやりとりは大人並み、いや大人以上とも言える。いやあ、私もこれぐらいの勢いでしゃべれればな〜と感心した。だけど、この3人の後ろ立てには、とっても教育熱心な両親が付いている。どのようにこの学級委員に選ばれるべくして、クラスのアシスタント、そして支持者を得ること、学校で立候補者の欠点をリストにあげること、そして討論で勝つ方法、打ち負かす方法、クラスのルールを作り、スムースに運営する方法、スピーチの仕方などなど。いやあ、これは本当に大人社会の縮図、政治の縮図が反映されていて、唖然とする。運動場で遊んでいる姿はすっごい子供らしいんだけどね。

両親の熱心さは、やはり「一人っ子政策」には大きく関わっているだろうし、上・中流家庭のという背景があるだろう。夫婦が一緒になって、子供のことを手伝い、なんといっても父親が学校に迎えに来るのが多かったり、討論の時には、一人の児童の父親が外から参観していた。両親共々協力し合って子育てしていること自体は、とってもいいことだ。だけど、このプレッシャーは子供には大抵のことではないだろうし、どうしても親は子供を甘やしがち過ぎ。

それに、この別の立候補者のあら探しなんて、私の時代で日本の小学校で公にこんなことしていたら、こっぴどく叱られそうなもんで、しかも学級で問題として取り上げられ、謝罪させられるのがオチだ。やはり日本は特に和を乱すのは、よくないとされているからかもしれないが。だけど、小学校先生は取りあえず、この子たちの話したいようにさせ、干渉しない。それにもちょっとびっくりした。(高校生ぐらいだったら分かるんだけどね・・・)

討論し合っている姿は、見てもらわないと分からないかもしれない。「君は人のことをたたいたり、シャツをひっぱったりして、暴力的だ。それで、他人を従わせようとしている。だから、民主主義者じゃなく、独裁者だ。」というようなこと。で、逆に「君は誰に投票するんだい?」「自分に入れる」「君は最初にどんなことがあっても僕に投票するっていったじゃないか?君は嘘つきだね。嘘つきは、学級委員にはふさわしくない。誠実さがない。」脚色は入っているかもしれないけど、こんな感じの討論を小学3年生がしていたのには、本当に参った

投票前日の夜。子供たちは家でスピーチの練習。両親はスピーチの構成を手伝い、リハーサル。動作、喋り方の練習。いたずら好きな男の子父親は、スピーチが終わった後に、最後のリマークを教える。スピーチ後には、「中秋節が近いですね。いい祝日が迎えれるように皆さんに贈り物があります。」といってこのカードを忘れないように配りなさいと指示。

投票当日、三人とも無事にスピーチを終える。そう、あの例のいたずらっ子な子は、指示通り、忘れずにアシスタントとともカードを配っていた。ある女の子は受け取って、「うわ〜、きれい」それを見た瞬間。皆さんもお分かりの通り、彼が学級委員に当選した!まさしく、贈賄行為ですよね、これって。父親が賄賂を教えていたのにも唖然だけど、先生も止めない所がすごい。落選してしまった子供たちは泣きじゃくって、しかも支持者も泣きじゃくっていた、この辺は子供らしくて安心する。

いやいや、ある意味いろんなことを教えてもらったドキュメンタリーだった。文化的なことよりも、世界共通なこの政治の世界を正しく、しかも見事にこの小さな8歳の小学3年生たちに反映されていることに、ある意味感心した。とっても面白いので、機会があったら見てほしい。

ウェブサイト
http://www.cbc.ca/documentaries/whydemocracy/vote.html
“Why Democracy?” のシリーズをまた月曜日の夜見た。今回は “Iron Ladies of Liberia”という、ライベリア(日本ではリベリアと呼ばれている)の初民選で当選した、しかも初女性のアフリカの大統領 エレン・ジョンソン= サーリーフに密着したドキュメンタリー。リベリアと言えば、アフリカ大陸の西側、中部に位置し、奴隷から解放された人々によって作られた国だ。アメリカ合衆国から来たテイラー氏が大統領となり、腐敗した政治、そして、市民紛争のきっかけをつくった。この14年間も続いた市民紛争の後を、建て直すサーリーフ大統領と女性の閣僚たち。サーリーフ大統領就任直後からどういうふうに再建していくか様子を撮っている。サーリーフ大統領、彼女こそが本当にあるべき姿のリーダーだと思った。何と言っても、動じない強さ、まとめる力、何が必要か極める力、そして実行力。いやあ、感服したね。

戦争を繰り返し、戦争しか知らない子供たちも多い中、国を建て直すのは相当の力量が問われる。一番衝撃を受けたのは、プロテストをし始めた元兵士たちに対する対応。支払いもされず、失業したまま、さまよう兵士たちの不満はピークに達する。だが、彼女はそのデモをしている中の兵士がいる中へ、現れるのだ。危険を承知の上で、現れた彼女に対して、兵士たちは喜びを隠せないが、更に混乱を招くかと思いきや、「リーダーは誰?」と呼ぶ。そして、握手をかわし、兵士たち全員を役所に入れて話し合いを今日しようということになった。(もちろん、武装しているかどうかはチェックしていたけど)。彼女は自分でも言っていたけど、「市民皆んなのマザーになる」ことに決めたと。そう、話し合いが始まると、兵士たちが何を要求しているのかをちゃんと聞いていた。未払いの給料、年金等が主な問題、失業している人々がほとんどで、毎日食べていけないということで、お金が支払らってもらいたいということだった。彼女は「あなたたちには、支払われる権利があるし、年金ももらう権利があるのは当然だと思うし、少しずつでも支払われる手当をする。だけど、今私達の国はたくさんのお金が必要。で、一番必要としているのは、村人たちよ。家からも追い出されて、暴力も振るわれて、何もない彼等が一番の被害者なんだ。彼等たちこそ助けることが必要なんだ。彼等たちは兵士たちにいつ殺されるんじゃないか、暴力を振るわれるんじゃないかとおびえている」兵士たちは、「・・・・」泣く子も黙らせるではないけど・・・話し方を聞いてみてもらえば分かると思うが、説得力がある。彼女は心からそう信じて言っているから、相手にも伝わるのか。そう、彼等たちもお母さんと言うように、Maと彼女のことを呼ぶ。「マー(大統領に対して)、あなたがやって来ていることは、私達はとっても感謝しているし、これからもそうして欲しい。これからは、市民にも暴力を振るわないし、デモで騒がせるようなことはしない。」って。まあ、忠実に言っているかはともかくとして、兵士たち、力ずくで戦おうと思えばできる。そんな相手をこんなふうに説得してしまったのは、とってもアッパレだ!だけど、やはり誠実さが伝わってくる。

他にも衝撃的だったのは、今でもこんなプランテーションと呼ばれる場所があるんだよね。アメリカのFireStoneっていうタイヤ会社はご存知ですよね。この会社は奴隷を所有していたとしても有名。この会社はリベリアにもゴムをとるために、プランテーションがある。経済的に資源を売るのは、この国にとっても必要なこと。だが、ここで働いている人たちをサーリーフ大統領は訪ねる。ひどい家に住んでいるし、食事もままならないし、支払いも相当低い。それで、Firestoneの会社と話し合い、従業員の環境を改善するように約束させる。37.5%だったかな?給料アップも約束。すごい、行動力だ。しかし、ゴムの木を切って、流れ落ちるのを撮っているんだよね。それから、まだゴムは出来るんだよね。特に車のタイヤはここが原点なのかと思うと、ちょっとげっそりした。知らないからだけど、少しでもこういった所で働いている人の環境が改善していると聞くのは嬉しい。

だけど、一番サーリーフ大統領がやらなくてはいけないのは、国の資金を外側が得ること。ちゃんとグローバル・ファイナンシャル・アドバイザーという人がいて、助言をしてくれる。だが、やはり頼りにしているのは、他の国の支援。特にアメリカからだ。もともとアメリカからの奴隷が解放されて建国された訳だから、援助も当然だと思えるが、国と国との交友関係が必要な訳だ。中国の書記長も訪れて、援助の話をする。中国は世界の大国として、世界的レベルで医療や資金援助をすることもプレッシャーがかかっている。アメリカにしても、中国にしても、もちろん国内でも全く行き渡っていない層もいっぱいある。そこからという理論もあるだろうが、実際世界的に貧困も良くならなければ、全体的にはよくはならない。難しい所だ。アフリカでは、種族や宗教において戦争をしあったり、大虐殺が行なわれたりという国がまだまだある。その中でも、リベリアは平和な国として再建国してほしいなと願っている。

このドキュメンタリーは本当にお薦め とってもインスパイアされるし、私の中の血が騒いだ映画だった

ウェブはこちら
http://www.cbc.ca/documentaries/whydemocracy/ladies.html
昨日は、たまたまテレビのチャンネルをコロコロ変えていたら、あれ?すっげ〜日本らしき映像が出て来た。しかも、選挙のキャンペーン。何だろう?って見ていたら、CBCで、世界各国のドキュメンタリーシリーズ、"Why Democracy?"(なぜ民主主義?)というシリーズの中で、この日本の「選挙」というものを放映していた。 http://www.cbc.ca/documentaries/whydemocracy/index.html

2005年にあった川崎市議会に補欠選挙で、しかも自民党公認で立候補した山内和彦さんのドキュメンタリーだ。さすがに名前はこの映画の中でも連呼されていたので、覚えてしまった。名前を覚えるのには、この連呼作戦はもっともなのかもしれない。

いやあ、全く選挙活動なんて中から見ることがないので、面白かったし、こうやって政治のシステムに呑み込まれていくのかって客観的に見れた。それに、カナダだと、あの選挙カーの活動ってないから、WはOld Schoolだねって言っていた。確かに、こっちでやっていたら、きっと騒音迷惑でバッシングされそ〜だね。

また、面白いのは、今まで全く政治とは無縁で、切手とコインを売っていた山内さん、40歳。そんな彼が政治家?だけどやはり東大出っていうのは、政治にはまだ効くらしいね。奥さんは会社員らしく、共稼ぎのDINXだ。だけど、結構普通の家庭のような人で、若手の人が政治家になってくれた方がもっと日本社会はいい方に進む気がするけど、この政治の組織の中に入ったら、変わざるを得ないのかなとも思えた。だけど、自民党の後援会っていうのは、やはり権力がある訳ね〜。特に彼の場合、素人政治家だった訳だから、細かい所までに注意が入る。もっともっていうこともあるけど、こうやって気のいい感じの山内さんも、出る杭は打たれるってのかな〜、こうやって決まりきった型のようなものにはめられて政治家になるのかな。

いや、この山内さんの奥さんはとっても不服そうだったけど、政治の世界では「妻」ではなく、「家内」らしい。友人同士で話していた時は、「妻」っていう方が平等な響きでいいよねな〜んて、友人も言ってたけど、お決まりでは「家内」が常識らしい。「家内」って文字通り、観念的も今の時代とはかけ離れていると思うし、響きが私はとっても好きではない。しかも、あくまでも、夫に所属したって考えが好きじゃないね。新しく改革なんて言っている割には、全然こんな古いしきたりのようなものは、柔軟に変える様子は全くない。

印象的だったことがいくつかある。一つは、老人スポーツ大会?みたいな所に、選挙活動でいく。すっごい見え見えな活動だけどね。ここで、みんなラジオ体操をしている。何とも言えない不思議な光景。(いや〜、ラジオ体操って私の小さい頃は夏休み毎日朝行かないといけなかったけど、この体操と音楽ってよく考えると異様よね。)

もう一つは、不満を募らせた奥さんと山内さんの車でのやりとり。奥さんは有給を取って、選挙活動を手伝ってきた。そんな中で、選挙に通ったら、恩返しに仕事辞めたらって、後援会の人に言われたそうだ。それに対して、堪忍の緒がきれちゃったようだ。彼女が不満に思って言っているは、私にはとっても納得できた。特に、川崎市宮前区のような住宅地が多く、DINXの多い家庭(彼女によると)を助けるためには、幼稚園の待機児童の対策、3人目に対する援助を出すなど少子化から抜け、こういった共働きの家庭を援助する方向を掲げている割には、彼女に仕事を辞めろって、かなり矛盾しているよね。選挙に落ちてしまえば、後援会は助けないだろうし、彼等は一文無し。結局金持ちだから、そんなことが言えるって。総理大臣になったら、仕事辞めますっていってやろうかと思ったって。最後の当選後の奥さんの顔も印象的だけど、あんまり嬉しそうな顔には思えない。

結局、改革、改革という名目をうっているわりには、全然、中層、下層階級のことなんて考えていないし、改革って一体どんな改革、誰のための改革と疑りたくなる。民主主義?誰のための、民主主義なんだってってね。これは日本だけではなく、たくさんの国々でそうだ。

あとは、この選挙活動見ていて、具体的どんな政策を彼がするのかっていうのは、少しだけ出て来ただけだ。インタビューの時に言っていた、子育て援助など。一体その後はどこで分かるの?ウェブサイト?パンフレット?確かに名前と党名の連呼は必要なのかもしれないけど、一体何をしてくれるのか具体的ではない。彼には限らずほとんどの政治家だけど。最近は遠ざかっているからよく分からないけども、あまり昔から変わったふしはない。カナダは選挙活動と言っても、やはり道ばたで演説ってことはあるかもしれないし、テレビで政治活動宣言、そして質疑や討論の場面を見ることができるから、一応その政治家がどんなことを考えているのかまだ分かる気がするけど。日本だと、夜中にしている田原総一朗の政治の論争ぐらい?だけど、夜中にするのはいいけど、早い時間にもしないとみんな見ない気がするけどね。きっと政治に対する関心、また政治家に対する期待は薄で、見ても見なくても関係ないって思っている人も多いのかもしれないけど。

だけど、本来なら、この人の良さそうな山内さんには頑張ってもらえたらいいかなと思うけど、この官僚のシステムに呑み込まれてしまったら、変わってしまうのかも。ドキュメンタリーはとっても面白かったですよ。よかったら、見てみて下さい。ちなみに、この山内さんのブログ、ドキュメンタリーのインタビューは、こちら 
http://senkyo-yama.seesaa.net/ 
http://www.cinematopics.com/cinema/topics/topics.php?number=1024

たまたま、このシリーズの中国の子供たちのドキュメンタリーも見たし、このシリーズはまだ続くようなので、また書きする。では
昨日の夜、たまたまテレビを付けていた。そうすると、『HIROSHIMA』というドキュメンタリーがCBC(Canadian Broadcasting Company)で始まった。やはり広島出身の私としては、原爆の日というのは、小さい頃からいつも忘れられない日だったが、カナダに来てからは、その日を考えることもあれば、すっかり忘れてしまっていたことよくあって、あっ、やはり忘れてはいけないよなとハッとさせられた。そう、日本時間で言えばちょうど8月6日だったんだよね。

このドキュメンタリーは、アメリカと日本の両側から描かれていて、今までさほどアメリカ側、原爆を落とす側のストーリーを目にしたことがなかったので、よい機会になった。生き残っている人のインタビューとその当時を再現したドラマと一緒に作成されていたので、ある意味いろんな面でリアルに見えた。アメリカ側から見ると、やはり秘密で責任のある仕事を任されたパイロット、エンジニア、カメラマンたち。この仕事を無事に成功させれば戦争が終わって、家に帰れるという人が多かったのでは・・・だからと言って、原爆を落としたことを正当化するべきではないと思うけど、この状況に実際置かれていた人々にとっては選択肢がなかったとも思える。インタビューをしている人々を見ると、やはり悲しく、寂しげな目をしている人々が多かった気がする。表面的には強がっていても、この罪悪感という重荷を背負って生きて行くのも楽なことではないだろう。

被爆者側は小さい頃から学んで来たが、何度見ても残酷な様子はやりきれないし、胸が痛い。特に子供の上に倒壊してしまった家の瓦礫があり、それを思うように動かすことができない母親。迫ってくる火。そのまま焼け死んでしまう子供たち・・・そんな場面はきっとたくさんあったに違いないが、何とも表現できないぐらい胸が痛い。また黒い雨が降り、絶望的にそれを飲む場面も何とも言えない・・・だが、たまたま広島市の中心地から離れた熱射病にかかった少女の急患のところへ真夜中に呼び出された医師のヒダ先生。そのお陰で生き残った。その後の市街へ帰って行き、治療をしていく様子なども語られる。さらに、今バンクーバー在住のキヌコ・ランカスキーさん。彼女は当時看護婦さん。病院に早めに準備に来ていて被爆した。体中にガラスがささっていて、何日かかかってまた這って病院へ。この方には学会でお目にかかったことがある。生存者の方々の話はいつ聞いてもすさまじい。だんたんと被爆の生存者は減って来ている。生きておられるうちに聞いておいた方がよいだろう。

私の家族は広島は広島でも田舎。なので、被爆にあった人も少ない。だけど、祖父の一人の弟はたまたま広島市内にお寺へ修行へ行っていた。それで亡くなったのだ(実際叔父のことを聞いたのは私が20歳を過ぎてから・・・誰も教えてくれなかった)。もう一人の叔父も被爆手帳を持っている。実際どこにいたのかはよく知らない・・・祖父も弟の遺体を探しに行ったはず。被爆していると言えばそう言えるのかもしれないが・・・私の世代は3世、そして4世、5世となっていく。少なからずも広島に住んでいる人は家族や親戚が亡くなった人、被爆者だという人は多いだろう。だけど、なかなか身内のことでこういった被爆者の話をすることは少ないだろう。

3日後は長崎だ。この後、日本がすぐに降伏していたら、少なくとも長崎には原爆が落とされなかったのではと考えざるをえない。しかも、この日、始めの計画は小倉に落とされる予定だったが、曇っていて長崎に変更。何とも不運な運命としか言いようがない・・・その前に、アメリカの科学者や政治家が人間に対して核兵器を使うということを考え直していたら・・・とも思わずにはいられない。だが、実際に起こってしまったのだ。これ以上核兵器を使うべきではない。戦争をするべきではない。ということを人間は学ぶしかないのだろうが、いつそうなるのだろうか。

「ヒロシマ」について書くのはどうしても感情的になってしまうし、うまく表現できない。だが、また考える機会を与えてくれたドキュメンタリーに感謝しよう。もし興味をお持ちの方はこちらへ http://www.cbc.ca/passionateeyesunday/feature_070805.html

*ドキュメンタリー自体はBBC作成。結構たくさんあるので、どのHIROSHIMAなのかよく分かりません。監督は書き留めていないので、分からず。
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自己紹介:
20代前半にカナダに移住、はや11年目を迎え、まだまだ風来坊です。大学院留学、英語講師の経験を経て、また30半ばにして学生生活へと戻るべく準備を進めています。5月に初マラソン完走!更に走り続ける。。。
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