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カナダ・アメリカの生活、ランニング、映画、SF、政治、オタク度何でもあり。続けられたらよし。
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昨日の夜、たまたまテレビを付けていた。そうすると、『HIROSHIMA』というドキュメンタリーがCBC(Canadian Broadcasting Company)で始まった。やはり広島出身の私としては、原爆の日というのは、小さい頃からいつも忘れられない日だったが、カナダに来てからは、その日を考えることもあれば、すっかり忘れてしまっていたことよくあって、あっ、やはり忘れてはいけないよなとハッとさせられた。そう、日本時間で言えばちょうど8月6日だったんだよね。

このドキュメンタリーは、アメリカと日本の両側から描かれていて、今までさほどアメリカ側、原爆を落とす側のストーリーを目にしたことがなかったので、よい機会になった。生き残っている人のインタビューとその当時を再現したドラマと一緒に作成されていたので、ある意味いろんな面でリアルに見えた。アメリカ側から見ると、やはり秘密で責任のある仕事を任されたパイロット、エンジニア、カメラマンたち。この仕事を無事に成功させれば戦争が終わって、家に帰れるという人が多かったのでは・・・だからと言って、原爆を落としたことを正当化するべきではないと思うけど、この状況に実際置かれていた人々にとっては選択肢がなかったとも思える。インタビューをしている人々を見ると、やはり悲しく、寂しげな目をしている人々が多かった気がする。表面的には強がっていても、この罪悪感という重荷を背負って生きて行くのも楽なことではないだろう。

被爆者側は小さい頃から学んで来たが、何度見ても残酷な様子はやりきれないし、胸が痛い。特に子供の上に倒壊してしまった家の瓦礫があり、それを思うように動かすことができない母親。迫ってくる火。そのまま焼け死んでしまう子供たち・・・そんな場面はきっとたくさんあったに違いないが、何とも表現できないぐらい胸が痛い。また黒い雨が降り、絶望的にそれを飲む場面も何とも言えない・・・だが、たまたま広島市の中心地から離れた熱射病にかかった少女の急患のところへ真夜中に呼び出された医師のヒダ先生。そのお陰で生き残った。その後の市街へ帰って行き、治療をしていく様子なども語られる。さらに、今バンクーバー在住のキヌコ・ランカスキーさん。彼女は当時看護婦さん。病院に早めに準備に来ていて被爆した。体中にガラスがささっていて、何日かかかってまた這って病院へ。この方には学会でお目にかかったことがある。生存者の方々の話はいつ聞いてもすさまじい。だんたんと被爆の生存者は減って来ている。生きておられるうちに聞いておいた方がよいだろう。

私の家族は広島は広島でも田舎。なので、被爆にあった人も少ない。だけど、祖父の一人の弟はたまたま広島市内にお寺へ修行へ行っていた。それで亡くなったのだ(実際叔父のことを聞いたのは私が20歳を過ぎてから・・・誰も教えてくれなかった)。もう一人の叔父も被爆手帳を持っている。実際どこにいたのかはよく知らない・・・祖父も弟の遺体を探しに行ったはず。被爆していると言えばそう言えるのかもしれないが・・・私の世代は3世、そして4世、5世となっていく。少なからずも広島に住んでいる人は家族や親戚が亡くなった人、被爆者だという人は多いだろう。だけど、なかなか身内のことでこういった被爆者の話をすることは少ないだろう。

3日後は長崎だ。この後、日本がすぐに降伏していたら、少なくとも長崎には原爆が落とされなかったのではと考えざるをえない。しかも、この日、始めの計画は小倉に落とされる予定だったが、曇っていて長崎に変更。何とも不運な運命としか言いようがない・・・その前に、アメリカの科学者や政治家が人間に対して核兵器を使うということを考え直していたら・・・とも思わずにはいられない。だが、実際に起こってしまったのだ。これ以上核兵器を使うべきではない。戦争をするべきではない。ということを人間は学ぶしかないのだろうが、いつそうなるのだろうか。

「ヒロシマ」について書くのはどうしても感情的になってしまうし、うまく表現できない。だが、また考える機会を与えてくれたドキュメンタリーに感謝しよう。もし興味をお持ちの方はこちらへ http://www.cbc.ca/passionateeyesunday/feature_070805.html

*ドキュメンタリー自体はBBC作成。結構たくさんあるので、どのHIROSHIMAなのかよく分かりません。監督は書き留めていないので、分からず。
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悲しいね!
残念ながら広島には行った事がありませんが、OL時代に長崎に遊びに行った際に、原爆記念館を見学してきました。被爆された方々の写真・・・核爆弾の悲惨さを目の当たりにしました。
私の母は横浜、父はハルビンで終戦を迎え・・・物心が付いた頃から、戦争の話を良く聞かされました。普通の人なら、誰でも理解できる”平和”の大切さ!なのに、どうしてこの世から戦争はなくならないのでしょう??人間はおろかな生き物なのでしょうか??
mika 2007/08/08(Wed)06:47:06 編集
コメントありがとうございます!
長崎に行かれましたか?やっぱり被爆された人々の苦しみはかわらないですよね。

mikaさんのお母さんは横浜ということは、空襲爆弾が大変だったのでは・・・しかもお父さんはハルビン・・・日本へ帰国されるのが大変だったのではと思います。戦争の話をやはり聞かされてきた世代はまだ実感があるのかもしれませんし、経験した人々にとっては言い切れない悲しみ、苦しみがあると思いますが・・・本当ですよね。「平和」という意味の大切さ理解しなければ、戦争はなくならないですよね。欲にとらわれてしまった人、他の人のことを人間と思わない人・・・やはりまだまだ人間には学ぶべきことが多いのでしょうね・・・
ISIS  【2007/08/09 04:25】
ヒロシマナガサキ
小学校の修学旅行がヒロシマで、原爆資料館、生存者の方の経験談、長い間そのとき受けた衝撃の強さが心にも記憶の中にもとどまり続け、少しトラウマ状態で長年原爆関係の映画やTV番組から遠ざかってしまっていました。でも今年に入ってから"ヒロシマ ナガサキ"に関連する映画観る機会に多く出会い、ようやく自らすすんでもっと知りたいと思うようになりました。"黒い雨"、"No More Hiroshima,No More Nagasaki"(今年のDOXAより)などなど、例年になくたくさんの映画をみました。人間のおろかさもさることながら被爆された人々の生に対する観念、背負わされてきたものの重みがずどんと心に落ちてきました。生き残ったことを運命と思う人、後遺症を背負いながら生きていかねばならないことを宿命と思う人。うまく表現できないのですが、地獄としか形容できないような状況を生き延びた人々の逞しさ、そして生きることに対する喜びと勇気、悲しみと苦悩を映す目が心に焼き付いて離れません。
多くの被爆体験者が語り部として次の世代に自分の経験を引き継ぐ活動をされてますが、年々その機会が減っていることを非常に残念に思います。
そうそう、ネットで調べていたらこのような映画を見つけました。
スティーブン・オカザキ監督の新作です。その名も"ヒロシマナガサキ"ドキュメンタリーフィルムです。是非この作品を見る機会にめぐり合いたいものです。http://www.zaziefilms.com/hiroshimanagasaki/
Surume 2007/08/10(Fri)03:24:53 編集
Re:ヒロシマナガサキ
色々考えたコメントありがとう!なるほどね・・・トラウマになるのは分かりますよ。やはり子供の頃に受けた衝撃というのはなかなか忘れられないよね。どちらかというと、やはり私も小さい頃から色々映画は見て来たせいもあり、やっぱりずっと見続けるのは辛かったんですよね。8月6日は登校日。6日、9日はやはり原爆の落ちた時間にサイレンが鳴っていたものです。やはり忘れてはいけないものなので・・・
スティーブン・オカザキ監督の新作へのリンクありがとう。この映画に関する彼のインタビューをテレビで見ました。多分、見る機会はあるのではないかと思います。
ISIS  【2007/08/10 06:35】
広島
旦那と広島に行ったときには、
やっぱり原爆ドームでその歴史の経験をした気がします。

自分の世界を巻き込んだ戦争は
まだないとしても、他国で起こっている戦争は人事ではないですよね。
はr 2007/08/12(Sun)16:12:48 編集
Re:広島
旦那さんと広島に行かれたんですね。やはり、原爆ドームは核兵器の恐ろしさを物語っていますよね。

>自分の世界を巻き込んだ戦争は
>まだないとしても、他国で起こっている戦争は人事ではないですよね。
そうですよね。やはり、戦争は今でもやはり世界各地で起こってますもんね。もっといろんな人が平和の意識があれば変わるのかもしれませんが・・・
ISIS  【2007/08/14 01:46】
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20代前半にカナダに移住、はや11年目を迎え、まだまだ風来坊です。大学院留学、英語講師の経験を経て、また30半ばにして学生生活へと戻るべく準備を進めています。5月に初マラソン完走!更に走り続ける。。。
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