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カナダ・アメリカの生活、ランニング、映画、SF、政治、オタク度何でもあり。続けられたらよし。
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金曜日の夜に、DVDで"Flags of Our Fathers"(邦題:父親たちの星条旗)を見ました。(最近よく見てるって?)姉妹映画『硫黄島からの手紙』と同じくクリント・イーストウッド監督でアメリカ側から見た太平洋戦争の中でも硫黄島での戦いに焦点を当てています。実際に硫黄島で戦場で戦い、星条旗を掲げた一人ジェイムス・ブラッドリーの息子が父親の過去を探るという実話をもとにしています。実際のところ、戦争に対してこんなに批判的なものをハリウッドの映画で見たことはありません。特に第二次世界大戦や太平洋戦争に対しては、アメリカでは勝利を美化する傾向にあるので、意外性があって、新鮮でした。しかも日本でも硫黄島での決戦はほとんど聞いたことがないと思います。教科書にのっていましたっけ?そんな覚えも全くありません。負け戦争、しかもたくさんの兵隊が犠牲になった戦いはどちらかといえば敗戦後といえども、見て見ぬふりのことが多いのではないでしょうか。

実際にジェイムス・ブラッドリーを始め、三人の生存した星条旗を立てたアメリカ兵の復員後の話、そして彼らの戦場での回想をもとに話が進んでいきますが、映画はフィクションですが、実際に起こったことながら、今の私にとっては、超現実の世界のようにしか思えないほど残酷です。アメリカ側、日本側ともたくさんの若い兵士たちが死んでいく姿、もちろんきれいごとでは済まない、残酷性がアリアリと描かれて何とも言えない気持ちになりました。しかも、どこで撮影されたのかは知りませんが、火山の島、黒い溶岩からできた砂利は植物もあまりなく、何とも言えない場所だなと思いました。

しかも知りませんでしたが、この星条旗を立てた人たちは実際は2番目で1番最初に本当に立てた人たちは死んでしまって、このイメージ自体、そして生き残った3人は政治的な要素として使われていたと。映画によると、1番目の旗はあるアメリカの政治家が欲しがったからという理由らしいですが。。。何ともアホらしいですよね。生き残った3人たちはヒーローとして扱われたのですが、2番目に立てられて旗とも公に言えず、戦争から帰り、たくさんの仲間を失い、傷を負い、殺すか殺されるかという状況のもとに置かれた人々の気持ちはきっと参戦した人か戦争が行われた、もしくは行われている所でしか分からないでしょう。心的外傷後ストレスなどあることを一般の人には理解されず、ヒーロー扱いし、使い捨てられたのを見ているとサーリアル、現実を超えていますね。この辺はうまく描写されていたと思います。また、生き残りの中にいたFirst Nation(インディアン)であった彼はヒーローと言われながらも、根強い差別は変わらず、風当たりはまだまだ強かったのです。戦争に参加すれば、白人と同じようにアメリカ人扱いされるわけではなかったというのも、なかなかハリウッド映画では見られないので、現実的に描写していたと思います。このインディアン、アイラ役はアダム・ビーチという俳優さん。彼はカナダ出身で、なじみも深いのですが、彼の演技は見事だったと思います。アメリカでも結構活躍しているのですが、もっともっといろんなもので活躍して欲しい役者さんです

全体的に見てもの作品です。一つだけ言えば、始めは回想の場面と設定の場面がちょと分かりにくかった所は残念です。ちょっと生存者の一人の息子が急に出て来た気がしたので、この辺がうまく入っていればもっとよかったかも。ですが、お勧めです!!今度は『硫黄島からの手紙』を見る予定ですが、ちょっとすぐには気分的に見れそうにないですが、見たらまた報告いたしまする。乞うご期待
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沢山
Isisさん、沢山映画やDVD見てますよね!Isisさんがブログで紹介しているものはチェックしてみようと思いつつ、時間だけが過ぎてゆく・・・。
この2本の映画、とても興味あります。映画館で見ようと思ったけど、戦争ものはスクリーンでみると迫力がありすぎて怖い、と思ってみませんでした。 ブログにも書いたけど、お祖父ちゃんがらみで戦争のことをもっと知りたい、というか知らなければならないと思っていた時期なので、早めに見てみたいとおもいます。
キリコンブ 2007/06/07(Thu)23:41:32 編集
Re:沢山
いやいや、劇場では最近見てないのですら。。。しかももっとインディーズ系見ようと思っているんだけど、なかなか時間が合わないのとお金がないっすら。他にも見たのだけど、コメントしきれてないのです。やっぱフルタイムで働いているとなかなかできないと思うよん!

そうそう、キリコンブさんのお祖父さんの話読みました。その時に私も実はこの映画思い出したんです。戦死されたということで、きっとおばあさんもつらかったでしょうね。ですが、ちょっと覚悟して見た方がいいかもしれません。
ISIS  【2007/06/08 04:18】
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20代前半にカナダに移住、はや11年目を迎え、まだまだ風来坊です。大学院留学、英語講師の経験を経て、また30半ばにして学生生活へと戻るべく準備を進めています。5月に初マラソン完走!更に走り続ける。。。
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